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もし夏目雅子さんが…

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                まぶしいほどの輝きと、凛[りん]とした演技は今も
                色あせない。女優の夏目雅子さんが急性骨髄性
                 白血病で亡くなり、十一日で三十三年となる。
                 二十七歳だった。






 ▼九年間で十数本の映画に出演し、テレビでも活躍した。フランスの映画監督で作家の故クリス・マルケルさんは「西遊記」の三蔵法師役を見て、一九二〇~三〇年代の伝説的女優に例えた。「グレタ・ガルボ以来の美女だ」(キネマ旬報社「現代日本映画人名事典女優篇[へん]」)。

 ▼」闘病中は副作用の少ない薬を使い、復帰を目指す。黒髪を失うことを避けたかった。願いはかなわない。家族は深く悔いる。髪の毛を気にしないで病気を克服してほしい-。急逝から八年後、「夏目雅子ひまわり基金」がつくられた。かつらを無償で貸し出した。全国で延べ一万人が利用する。

 ▼歴史を振り返る際、「もし」に意味はないと指摘される。広く知られた出来事が違う結末だったら、と思い描いても世の中は変わらない。だが、彼女に当てはめるのを無意味とは思えない。病魔に命を奪われなければ、どれほどのファンを魅了したか。円熟期を迎えた天性を見たかった。笑顔や恩に感謝する人は多い。残した財産は大きい。(あぶくま抄)

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