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「笑いの日」




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           「笑う門には福来たる」

 
 車谷長吉、川上弘美、藤沢周、柳美里、青来有一、保坂和志。1995年上半期の芥川賞候補は、のちに全員が同賞か直木賞を受賞するそうそうたる顔ぶれだった。

 混戦を制したのは保坂作品「この人の閾(いき)」。仕事の合間にふらっと大学時代の友人の家に寄り草むしりを手伝いながら雑談する。言ってしまえばそれだけの話だが、とぼけた笑いとユーモアが全編に流れる。

 その年は阪神大震災と地下鉄サリン事件が相次いで、日本が暗く沈んでいた。ある選考委員は、二つの出来事とバブル崩壊に触れた上で、作品を「とくに意味もないこの一日の静かな光」と評した。笑いのある日常の幸せをさしだす作風が時代と響き合ったのだろう。

 保坂さんは、自作に「笑い」を入れることをつねに意識していると自著で語っている。笑いやユーモアが小説を豊かにするとの信念があるようだ。「この人の閾」の作中人物もハハハとよく笑う。

 ハハハという笑い声から、8月8日を「笑いの日」として国民の祝日にしようという運動が、二十数年前にあった。発起人には元首相も名を連ねた。漫画家の故加藤芳郎さんは、「日本は笑ってはいけない時代があった」と制定の意義を説いた。

 祝日は実現こそしなかったが、加藤さんの胸中には先の大戦の記憶があったに違いない。ハハハと笑い、静かな一日を送れる平和のありがたさをかみしめたい。【南風禄】

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     (珍念)のコメントは『笑顔が人を変える』

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