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「幸せなら手をたたこう」

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 坂本九さんが1964年に歌ってヒットした「幸せなら手をたたこう」を聴いて、詩人、川崎洋さんは最初、虚を突かれたそうだ。


★「顔で笑って心で泣いて」式の日本的感情表現を良しとする世代としては、幸せを100%態度で示そうという感覚に違和感すら覚えたが、実際に歌ってみると違った、と著書で書いている。<みんなと歌ってみると、別にしあわせでもなんでもないのに、妙に気持ちが盛り上がってしまう。これまでの人生で経験したことのない気分でした。(略)みんなで歌うから味が出るのだと思います>

★みんなで一緒に歌うと元気になれるのはなぜだろう--。去年からそんなテーマで取材している。

★取材先の一つ、代々木病院精神科デイケアの合唱グループ「ハートビートコーラス」が7日、15周年記念コンサートを開いた。1年間、取材しながら一緒に歌ってきた私も出演させてもらった。

★歌えば、走馬灯のように思い出が……。誰かとハーモニーを奏でる喜びに気づいた人が浮かべた満面の笑み。「死んでしまいたい」とうめいていた女性が「合唱は私の人生に欠かせない」と語ってくれた日。壁に貼られた「歌うことは生きること」という標語。

★コンサート直前には仲間の一人が緊急入院。落胆していたら、本番当日、「絶対に歌う」と彼が車いすで現れた。それがどんなにみんなを勇気づけたか。精神疾患を抱える彼らとの1年間、「みんなで歌うから味が出る」を何度も実感した。一緒に歌えることの貴さをいつも感じていた。

★終演後、何人かから声を掛けられた。「先月、新聞記事も書いちゃったし今日で取材はおしまい? もう歌いに来ない?」「来てね。仲間なんだから!」。胸がいっぱいになった。たぶん「幸せ」で。

★それで川崎さんの文章を読み返したのだ。「幸せなら手をたたこう」と試しに口ずさんでみた。ぱんぱん、と手をたたいても、やっぱり一人じゃ調子が出ない。

★<ひとりで歌うなら、しあわせなら目をつぶろう、つぶってそのしあわせを噛(か)みしめよう……みたいなつぶやきになってしまいそう>。そんな川崎さんの文章に倣い、私もこんな歌詞をでっちあげ、みんなを思いながら歌ってみた。

♪幸せなら目を閉じて/喜びを噛みしめよう/誰もがひとりではないことに/あなたと歌えることに(統合デジタル取材センター)

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              【歌は世につれ世は歌につれ】
              
これ以上の、コメントは『蛇足』




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