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長崎「松翁軒」 「よむカステラ」

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 長崎「松翁軒」が年1回発行している冊子風の文化誌「よむカステラ」2018年初夏号は、「言葉はその人の歴史である」をテーマに日本文学者や児童文学作家らのエッセーを収めている

▼西舘好子さん(NPO法人・日本子守唄協会理事長)は作家で元夫の故井上ひさしさんのことを書いている。東京浅草出身の西舘さんの威勢のいい言葉は、会話の風景が物静かな東北生まれの井上さんとよく衝突したという

▼出版社の担当編集者を何人も家で待たせているとき、西舘さんが「部屋にこもって原稿にへばりついてよ!」と言うと、へばりつくという言い方を嫌悪して原稿そっちのけで反撃されたそうだ

▼翻って、井上さんの戯曲や小説のテーマの多くは「地方と都会」と西舘さん。「噛(か)み合わない双方の主張を饒舌(じょうぜつ)な言葉に乗せて核心へと導く作品が多い」

▼井上さんが色紙に好んで書いたのは「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/ふかいことをおもしろく/おもしろいことをまじめに…」。色紙を頼まれる機会が増えたころ、何かいい言葉はないかと二人であれこれ探し、中国の書物で見つけたという

▼それを井上流で著した代表作が、本になって40年近い長編小説「吉里吉里人」だ、と西舘さんのエッセーを読み終えて思った。言葉の様子も国の様子も変わっていく今の日本を思うにつけ、方言も主役のこのSF的小説は全然古びない。【春秋】

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Tinen


   

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