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母の日に

Hito


                        ことしは作家井伏鱒二の生誕120年にあたる。
                     
『山椒魚』『黒い雨』といった代表作はもちろんだが
                     釣りや旅のエッセーも多い。その随筆集「人と人影」
                    (講談社)に『おふくろ』と題した作品がある。
                    一部を紹介する








◆―「ますじ」とお袋(ふくろ)が云(い)った。「お前、東京で小説を書いとるそうなが、何を見て書いとるんか」「字を間違わんように書かんといけんが」

◆鱒二は2、3年に一度、田舎に立ち寄るが、いつも同じ愚痴を聞かされる。母親も説教ばかりしてもと思い、鱒二の義姉に酒を1本つけるよう頼む。しかし、酒飲みの伜(せがれ)に酒を飲ませたいお袋は、「飲めるんじゃもの。もう一つだけなら飲んでもよかろうが」と、酒を見るのも嫌な義姉に遠慮しながら、また燗(かん)を頼む

◆帰郷した息子を思う気持ちと嫁への気兼ね。なんともいえない母親の心の機微を感じさせるシーンだ。井伏鱒二はこの随筆を発表した6年後、文化勲章を受ける。その夜、郷里のお袋さんから電話があり、親しく話をしたという

◆あすは「母の日」。プレゼントや花を用意する人も多かろう。久しぶりに親子水いらずの言葉を交わしたい。一方で、感謝の気持ちを伝えようにも、もう他界してしまった母をしのぶ人もいよう。わずか3歳で母親と死別した小林一茶の句がある。〈亡き母や海見る度(たび)に見る度に〉【有明抄】

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Kuri2


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