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85歳の挑戦

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 ◆会津若松市に85歳ながら一日2時間の勉強を欠かさない女性がいる。「言葉の樹海に迷い込んだみたい」と漢字の問題集に向き合う。「沈魚落雁[ちんぎょらくがん]」の熟語を覚えたというが「私には関係ない」と苦笑する。魚も雁も驚いて身を隠すほどの美女を意味する。

 ◆日本漢字能力検定(漢検)に2年前から挑戦する。孫が中学卒業程度の3級を受験すると聞き、一緒に学び始めた。趣味の短歌の知識が役立った。見事に合格し、祖母として面目を保つと同時に向学心に火がついた。今年2月には高校卒業程度とされる2級の難関を突破した。現在は準1級を目指す。

 ◆「この年齢になると、覚えても次の日には忘れてしまう」。2級合格の道のりは山あり谷ありだった。字を書きすぎて、手に痛みが走る日もあった。それでもペンを置かなかった。見知らぬ熟語との出会いが楽しみになったからだ。込められた意味は深い。人生訓となって心に響く。

 ◆準1級の問題集に「点滴穿石[てんてきせんせき]」が載っていた。小さな水滴も繰り返し落ちると石に穴を開ける。一日に覚えるのは一字だけでもいいから続ける。目的は試験合格ではなく、自分への挑戦に変わった。漢字は良き教師だという。(あぶくま抄)

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Osore


     このコラム『恐れ入谷の鬼子母神』






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