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「サヨナラダケガ道ダ」

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            きょうは井伏鱒二生誕120年。作家の代表作に、ねぐらの
            岩屋でぼんやり日々を送るうち成長した自分の頭が出口に
            つかえて幽閉された形になった「山椒魚(さんしょううお)」の
            話がある。



 「俺にも相当な考えがある」などと息巻いてみせるが本当のところ何ひとつ脱出するための妙案は浮かばない。やがてすっかり心がねじ曲がってしまった山椒魚は岩屋に飛び込んできた何の恨みもない蛙(かえる)を閉じ込める。いわゆる死なばもろともというやつだろう。

 平昌冬季五輪が開幕して以降、話題にならない日はないのが南北朝鮮の融和に関する動きだ。訪韓を終え、平壌に戻った妹の金与正(キムヨジョン)氏らから文在寅(ムンジェイン)政権から受けた厚遇に関する報告を受けた金正恩(キムジョンウン)氏は韓国に異例の「謝意」を表明した。

 党機関紙に正恩氏と妹が腕を組み記念撮影する写真を掲載、二人の親密さを誇示することで妹が訪韓時に文氏に伝えた首脳会談のための訪朝呼び掛けが最高指導者の直接の意向であると印象付けた。そこから透けて見えるのはもっと歩み寄りたい、という思いだ。

 月日が流れ、食べる物もない蛙はもはや空腹で動けないほど衰弱している。山椒魚は相手の嘆息を聞いたところで「もう降りてきていいぞ」と和睦めいた声をかけるが、その心変わりの理由はよく分からない。実は奥の深い井伏作品だ。

 自暴自棄の山椒魚か弱った蛙のどっちかは不明だが核とミサイル開発放棄がない限り融和への真の出口はない。井伏の妙訳「勧酒」にならえば核とミサイルへの「サヨナラダケガ残サレタ道」。これだけは妥協してはならない文政権である。

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    自縄自縛


   


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山椒魚あらすじ

 〇山椒魚が岩屋から外に出ようとすると、2年間の成長で頭が出口につっかえ、出られなくなっていた。岩屋の中は泳ぎ回るには狭く、山椒魚は「俺にも相当の考えがあるんだ」と決心するも、何ひとつ考えは浮かばなかった。

 〇山椒魚は出口に顔をつけて外を眺めることを好んだ。先頭の一匹に続いて皆が方向転換するメダカを見て、仲間から自由になって泳ぐことができないと感じ「なんという不自由千万は奴らであろう!」と嘲笑してしまった。岩屋に紛れ込んできた小エビは、山椒魚を岩だと思ったようで、山椒魚の腹にすがりついた。

 〇山椒魚は得意げに「くったくしたり物思いに耽ったりするやつは莫迦だよ」と口にし、岩屋から出る決心をして出口に突進するも、穴に強くはまりこんでしまい、もとの岩屋の中に身を引き抜くにもたいへんな苦労となった。小エビは、山椒魚を見て、失笑してしまった。

 〇山椒魚の目から「ああ神様!」と涙が出た。岩屋の外で水すましやカエルが動き回るさまを見て山椒魚は感動するが、自分を感動させるものから目を背けた方がいいことに気がついた。山椒魚は、まぶたを閉じ、開こうとしなかった。

 〇よくない性質を帯びてきたらしい山椒魚は、ある日、岩屋に紛れ込んできたカエルを、出口に頭で栓をすることで出られなくした。山椒魚は、カエルを自分と同じ状態に置くことができることが痛快だった。「一生涯ここに閉じ込めてやる!」。

 〇2年がたち、カエルは嘆息をもらした。山椒魚は「お前は今どういうことを考えているようなのだろうか?」と訪ね、もう空腹で動くことができない というカエルは「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ」と答えた。 (A;´・ω・)アセアセ

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