« 新年の目標 | トップページ | 怒りや悲しみはとうの昔に過ぎ去った »

ウラから目線

F1

     

 

               スマホ、AI、現金、質屋

 





 青木雄二さんの漫画「ナニワ金融道」に、先物取引にのめり込む小学校の教頭先生が出てくる。その名も二宮尊徳ならぬ三宮損得。


 ある日、三宮先生が質屋を訪ねた。7000円必要なのだけど、差し出した中古の偽物腕時計の評価額は「最大1000円」。

 ところが、三宮先生の身分を確認した質屋のおじさん。先生の顔をじっと眺めると、「教頭先生を信用して」と7000円貸してくれる。

 では、三宮先生がAI(人工知能)の信用審査を受けたとしたら?

 AIは、借り手の顔を眺めたりしない(今のところ)。本人の情報と、広く社会から集めた情報の固まりを突き合わせ、信用度をはじき出す。

 みずほ銀行とソフトバンクが共同で会社を作り、そんなAIを使った個人向け融資サービスを始めた。

 早速、無料スコア診断を試してみる。誕生年月、最終学歴、勤務先企業の規模など、一般的な情報をスマホで入力すると、1000点満点の709点と出た。150万円まで年9・3%の金利で融資可能、って。

 質問に答えるほど点が上がるというので、さらに答えまくる。自宅テレビの大きさ、好きなお酒の種類、普段読んでいる新聞、などなど。

 ワイン好きとビール好き、毎日新聞と読売新聞。どっちが有利? ただし、ウソの回答は大概見破られ、良い結果は招かないそうな。

 新幹線の名古屋駅手前で始め、気づけば新横浜。でもかいあって744点に上昇、180万円まで年8・4%でOK。

 この手のAI金融は中国が先を行く。得点が上がるとホテルのチェックアウトやシェア自転車の利用などで優遇される特典も付く。

 では、心配は? 現金を使わず、何でもスマホで支払う便利な世の中になると、買った本や出かけた場所などの情報もバレバレになる。

 もし、その人の思想性までAIが判定し、それが誰かに悪用されたら--。あくまで、もしも、の話。

 日本はいまだにものすごく現金社会だ。AIとかITを使った金融でうんと遅れていると言われる。

 だけど、現金に個人情報はくっつかない。行きつけの八百屋さんで勉強してもらう特典もありうる。

 世界の流れに逆らうようだけど、そう悪くない気が。(論説委員)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


このコラム 『言い得て妙』



Nk_2


      

       青木雄二さんの漫画「ナニワ金融道」
       『百聞は一見に如かず』



« 新年の目標 | トップページ | 怒りや悲しみはとうの昔に過ぎ去った »