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輝く実家〉

  Kawa


                      「見えるわ、うち! わたしの、うち!」。

               
三浦哲郎さんの代表作 『忍ぶ川』のラストシーンである。
                実家の町のある駅から近くのK温泉に新婚旅行に出掛け
                た際妻が汽車の車窓から〈わたしのうち〉を見つけた場面だ




▼「私」の郷里で志乃と挙式し、北の温泉に向かう途中の話だ。それは数奇な運命に翻(ほん)弄(ろう)され、家らしい家に住んだことのない志乃がやっと探し当てた〈自分の家〉だった

▼ほぼ作者の体験を元にした作品で、実家の一戸から二つ目の金田一温泉までの旅である。ガタンゴトンと汽車が駅を出て間もなく、車窓から実家の「朝日の色に染まった白壁」が見えたのはほんの十数秒であろう

▼嬉しさを隠しきれずはしゃぐ志乃の姿と、〈輝く実家〉が車窓を流れていく様が目に浮かぶ。汽車が次第に速度を増し、リズミカルなレール音さえ聞こえてきそうだ。名作ならではの忘れがたい名場面である

▼先週末、新幹線盛岡―八戸間の開業15周年を記念した青い森鉄道・いわて銀河鉄道のフリー切符で周辺を探訪した。思い立っての行動で60年前の朝日とは真逆に金田一温泉の真上にザボンのような月が輝いていた

▼汽車時代はホームの端まで追い掛けて未練を断った悲恋もあったとか。だが新幹線は扉が閉まれば東京まで3時間弱の一眠り。〈自分の家〉も一瞬だ。各駅の旅で忘れていた「時間をかけることの味わいと喜び」を思い出した。【天鐘】

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『忍ぶ川』 商品の説明 Amazonレビュー

   学生の哲郎(加藤剛)は、東京下町の料亭“忍ぶ川”の看板娘・志乃(栗原小巻)と知り合い、やがて恋に落ちて結婚。哲郎の故郷でもある雪深い東北の地にて初夜を迎えていく…。

   三浦哲郎の『同名小説を原作に、名匠・熊井啓監督が映画化した至高の純愛ドラマ。モノクロ・スタンダード画面の静謐な佇まいの中、日本人の持つ粋と土俗性を共に奏でていきながら、やがてドラマは究極の美しさを携えたラブシーンへと移り変わっていく。当時出血性胃炎を患っていた熊井監督は、現場で血を吐きながら撮影に臨んだというが、その生死を越えた執念は、映像にて類まれなる人間の美として昇華されている。同年度キネマ旬報ベスト・テン第1位。(的田也寸志)

運命、あるいは呪縛からの解放  投稿者 サマータイム

 当初、吉永小百合が予定されていたそうだが、辞退したそうで、栗原小巻のキャスティングで正解。栗原のはかなさが、物語にそって美しくも悲しい抒情感を引き立たせている。運命、というものを改めて考え、再生についても考える。素晴らしい作品。

ずっと探していたので 見つけたときは嬉しかったです。投稿者 TON san

 この映画には特別の思い入れがあり、往年の彼らの姿を思い出して 懐かしく見ました。




Osamu


   珍念の脳裏に(手塚治虫のメッセージ)が思い浮かぶ!



 人間がどのように進化しようと、物質文明が進もうと、自然の一部であることには変わりはないし、どんな科学の進歩も、自然を否定することはできません。それはまさに自分自身=人間そのものの否定になってしまうのですから。(『ガラスの地球を救え』より)

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