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もののあはれ

Nagori


         「もののあはれ」とは、ものごとに触れて引き起こされる感動や
         しめやかな感情、情緒のこと―と辞書は説明する。ノーベル文
         学賞を受賞したカズオ・イシグロさんは、この「もののあはれ」と
         いう言葉が好きだという









▼長崎市生まれで、5歳で渡英した。英国籍を取得して英国住まい。初期の作品こそ日本が舞台だが、以降は日本と無縁の作品が続く

▼にもかかわらず、その作風は世界はもとより現代の日本読者の胸にも響く。それは、行間を読ませる精緻な筆致と、白か黒かを強要しない穏やかさにあるようだ

▼たとえば「日の名残(なご)り」で主人公の老執事は過去を振り返りながらつぶやく。「夕方は一日でいちばん楽しめる時間なのかもしれません。(中略)人生が思いどおりにいかなかったからと言って、後ろばかり向き、じぶんを責めてみてもそれは詮無い」

▼夕方が「人生の黄昏(たそがれ)」を指しているのは言うまでもない。「わたしを離さないで」についても「人生は短い。全ての人は死を迎える。大切なのは金や力ではなく愛する人や友人だ、との思いを作品に込めた」と話していた。通底するのは「もののあはれ」だ

▼現代社会で価値を持つ、「楽しい」や「おもしろい」と、かけ離れた位置にあるのが「もののあはれ」であろう。英国人のイシグロさんの受賞は、こうした感覚の大切さを、忙しすぎる日本人に改めて思い出させてくれた。【卓上四季】

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 脳裏に「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」の言葉が思い浮かぶ
1973年の全国交通安全運動の標語募集で総理大臣賞を受けた由緒、正しい標語です。目覚ましい文明の進歩で、人類は幸福になるのかなぁ?

カズオ・イシグロ「日の名残(なご)り」

商品の説明 内容(「BOOK」データベースより)

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作

トップカスタマーレビュー

おもでとうございます  投稿者 太

ノーベル文学賞受賞、おめでとうございます。たまたま、まさに、これを読んでました。著者は、長崎生まれ、イギリス育ち。本作品は、イギリスの執事の物語。第二次世界大戦の裏の名家での交流を執事として見ながら、執事としての伝統を守っていこうとする主人公。
しかし、伝統の周囲には、変化の流れもあり、軋轢が…英国の香りが漂う作品だと思いました。

ノーベル賞を受賞された先生の作品の中ではこの本が秀逸! 投稿者 Sima Yi

『わたしを離さないで』も楽しませて頂きましたが、個人的には『日の名残り』の世界観の方がずっと好きです。小説の中でありがちな、登場人物の他のことを薄く書かれているようなことはなく、緻密に正確に記載されているので、スーーっと感情移入できます。

まるでスティーブンと一緒に歩いている感覚にとらわれていきます。漫画とは違う、小説の面白さは、世界観を自分の頭の中で描けることですが、翻訳本は翻訳家の技量によって大きく作用されてしまいます。その点、この本の翻訳は素晴らしい!!!

立板に水が流れるように、詰まるところ無く、自然と楽しめます。イシグロ先生と翻訳家の土屋 政雄 先生にも敬意を評します。イシグロ先生の本はさることながら、土屋先生が翻訳された本もこれからはマークしておこう!

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  今日も、珍念のコメントは『支離滅裂』<オチ>が冴えません!

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