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諸行無常

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      沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色 盛者必衰(じょうしゃひっすい)
      の理を(ことわり)あらはす おごれる人も久しからず―とは、平家
      の栄華と没落を描いた『平家物語』の冒頭部だ。高校時代に暗唱
      させられた有名な一節がなぜか選挙の度に口をついて出てくる







▼祇園(ぎおん)精舎(しょうじゃ)の鐘の音(こえ) 諸行無常の響きあり―全てのものは変わりゆくという仏教的無常観。源平の合戦に題材を求め、人の世のはかなさを詩情豊かに描いた名作である

▼無常観を教える古典のはずが、最近はよく「おごれる人」が脳裏をかすめる。都議選最終日の秋葉原。「安倍やめろ」コールに取り囲まれた首相は「こんな人達に負けるわけにはいかない」と啖呵(たんか)を切って見せた

▼自民党の二階俊博幹事長も「落とすなら落としてみろ。マスコミが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」と凄(すご)んだ。無論、勝敗を決めるのはマスコミではなく有権者だが、かの大統領の台詞と瓜二つである

▼惨敗の夜、首相と政府首脳陣は「おごりや危機管理に問題があった。原因は自滅」と総括したとか。逃げまくった加計学園、耳を疑った稲田朋美防衛相発言、身の毛もよだつ豊田真由子様の暴言と枚挙に遑が(いとま)ない

▼問題は政策よりすぐおごり高ぶる強引な「安倍1強」の体質そのものでは。権力の集中は小選挙区制が産み落とした負の遺産か。引き締めを図ればおごりの濃度が増すばかりだ。議論伯仲、熟考の末に採決した中選挙区時代が懐かしい。【天鐘】

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Mato
          このコラム『的を射る』

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