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「デラックスな金庫」

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              ショートショート(超短編小説)の名手・星新一さんに
             「デラックスな金庫」という作品がある。ほとんど全財
             産をつぎこんで、大金庫を作った人物の話だ






▼鋼鉄製で外側は銀張り、内側は金張りという豪華きわまりない大金庫のため、家も手放してしまったので、アパートの一室で暮らす。暇さえあれば金庫を磨き上げ、ぴかぴかとなった金庫の表面が自分の姿をうつすのを見て悦に入っているが…と、話は進む

▼政府の面々も、この話の主人公に似ているかもしれぬ。彼らが大切にしているのは、世論の大きな反対を押し切って手に入れた「特定秘密保護法」という大きな金庫だ

▼その中には、何が入っているか。本来は金庫に収めてはならぬもの、国民に明らかにしなくてはならぬ情報も入っているのではないか。それを点検する衆院の情報監視審査会の報告書によると、四百四十三件の特定秘密のうち、何と四割弱の百六十六件は「文書」そのものがない、と分かったという。物々しい特定秘密の金庫を開けたら、中はカラッポだった…というのだから、おかしな話だ

▼「デラックスな金庫」の主人公も実は、金庫の中には何も入れていない。豪華な金庫を狙って忍び込む輩(やから)を、金庫の中に閉じ込めてしまうのだ

さて、「特定秘密」の大金庫に閉じ込められているのは、何か。それは、私たちの「知る権利」ではないのか。【中日春秋】

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Yubi


              このコラム『言い得て妙』

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