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「雪」

   Yuki_2


   東日本大震災が起きた年の7月に80歳で亡くなった小松左京さんに
   「雪のふっているところ」というSF短編小説がある。小説というより寓話
   だろうか。雪の少ない盛岡の風景に、ふとストーリーがよみがえる




▼雪を見たことのない妹が、兄に「雪ってどんなもの?」と尋ねる。「白くて、フワフワしてて、空からふってくるものだよ」と教える兄も、実物は見たことがない。ところが妹は「わたしはあるわ」と、兄を人けのない広場の隅に案内する

▼そこでは空から雪が舞っていた。夕食時に話題にすると父親の箸が止まる。警官を呼び現場に行くと、確かに雪。警官があたふた動き回るうち、空の上で何か音がして、雪はパッタリやんだ。「一箇所、ひびが入っていた」と警官が説明する

▼氷河期に入り、人間は地表を避けて地下に町を造って暮らしている。父親は警官の許可を得て、地表に突き出た高いビルの窓から、真っ白な世界になお降り積もる雪を兄妹に見せる。それが、装置の故障で地下に漏れていたわけだ

▼雪が子どもの「あそび友だち」だったのは「ずっとずっと昔」の話。いつ地球が暖かくなり、また地表で暮らせるようになるかは誰にも分からない

▼今週の各地の予報には雪マークも目立つが、いずれ「ちょっと昔」でさえこんなじゃなかったと、何となく落ち着きが悪い。【風土計】

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    (珍念)・・・・『杞憂』している。






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