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「分かち合い」




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      昔々イタリアに、ノッドという大食漢がいた。この男、誰かと
      食卓を囲んでも分かち合って食べる気など、まるでない。
      ある日、ジョバンニなる人物と食事をともにした際も、火傷
      する ほど熱々で相手が口にできないのに、ノッドは遠慮な
       くたいらげていく



▼そこで、ジョバンニは思い切った行動に出た。分かち合う気がないならばと、ノッドが一口食べるごとに自分の分を犬に分け与え始めたのだ。さすがのノッドもこれには仰天し、分かち合って食べると約束した

▼見境なく貪(むさぼ)り食う男ノッドは、ジョバンニのおかげで、欲を抑え落ち着いて食べることを学んだ。十四世紀に書かれた『三百小話』が伝える説話だ(池上俊一著『パスタでたどるイタリア史』)

▼グローバル化が進む中で、私たちがいま目にしているのは、巨大なノッドだろう。富の不平等が進み、世界で最も豊かな1%の人々の資産が、残る99%の資産額よりも大きいという不条理がある

▼食卓が独り占めされているのに、それを正すジョバンニ役を果たすべき政治は、既得権益層や支配層に握られ、庶民は見捨てられたまま。イタリアでの国民投票で反既成政治を掲げる野党の主張が通ったのも、そんな現状への不満が背景にあるという

▼二十一世紀版ノッドにどう挑むか。鍵となるのは、他者を排する気持ちではなく、「分かち合い」の精神ではなかろうか。【中日春秋】


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Basuta


     『パスタでたどるイタリア史』商品の説明 内容紹介

     長い歴史と豊かな地域色をもつイタリアで、人々の心を
     結ぶ国民食パスタ。古代ローマのパスタの原型、アラブ
     人が伝えた乾燥パスタ、大航海時代がもたらしたトマト。
     パスタの母体となった中世農民のごった煮スープに
     イタリア統一を陰で支えた料理書、そしてパスタをつくる
     マンマたち。国民食の成立過程からイタリアをみつめます。




内容(「BOOK」データベースより)

 「パスタを食べることでイタリア人はイタリア人であることを自覚する」―。地域色の強いイタリアで、人々の心を結ぶ力をもつパスタ。この国民食は、いつ、どのように成立したのでしょう。古代ローマのパスタの原型から、アラブ人が伝えた乾燥パスタ、大航海時代の舶来種トマト、国家統一に一役買った料理書まで。パスタをたどると、イタリアの歴史が見えてきます

トップカスタマーレビュー

パスタから語るイタリア、ヨーロッパの歴史  投稿者  No1k3truth 

 この本が、中高生向きに書かれていることで、学術的に重要であるかは知りません。しかし、中高生に歴史の面白さの知ってもらい、興味を待ってもらうことは必要であります。歴史の見方には、色々あるのであると知ってもらうには、対象とする中高生には、このような本は十分であります。

 「食文化というのは意外と保守的なもので、文化の他領域がどんどん進化しても、なかなか変わらない面があります。」とあるように、パスタを通して、イタリア並びにヨーロッパの歴史を知るには、面白いのではないでしょうか。分裂国家、イタリアを統一したのも料理本であること

 国家を統一するために、料理を通して実施したこと、同時に地方料理が作り出されたというのも、面白いことであります。パスタほど、一つの素材、料理に収斂出来たものは、ないと。対抗馬になるのは、インドのカレーではないか、といい、韓国のキムチは、ごく最近の産物であって(20世紀に入ってから普及したもの)、民族の魂のように持ち上げるのは、近代的イデオロギーにすぎない。と断定しているのは、非常に面白い見解であります。

 私にとっては、「・・・ゲルマン人は、かって言われていたような狩猟採集民ではなく、むしろ定着的な農耕と牧畜を行う民族であった。」というのが、非常に新しい感じを受けました。難しい漢字には、ルビがふってあります。恐れずに読んでいただきたい。歴史は、年号や戦争の順序を覚えること以外に面白いこともありますから。

 対象とする中高生にとっては、少し、難しいかもしれません。しかし、中高生が学ぶ、無味乾燥な世界史の内容を補完するという意味において、「世界の過去の歴史をしっかりと振り返り、それによって現在の諸問題をよりよく理解し、未来への指針としていただきたい」そして、「皆さんの歴史への興味をかきたてられたとしたら」という、著者の意図は、十分に受け入れられるのではないでしょうか。

珍念・・・パスタを食べたくなりました。 ( ^ω^)おっおっおっ

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