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自由恋愛

Sennzen


        先週の本紙「識者評論」で、女性史研究者の江刺昭子さん
        が昨今の有名人の不倫報道に対する違和感を訴えていた。
        いわく「当事者が納得すれば済むものを外野が騒ぐのは
        時代閉塞(へいそく)の状況の中のガス抜きなのか」









▼前提には結婚という制度への疑問がある。それは「とうにたががはずれているようだ」として「硬直した規範を振り回すのではなく、個と個の出会いを尊重し、多様な生き方を認め合う寛容な社会でありたい」と主張する

▼江刺さんは「現代では、非婚あり、事実婚あり、同性婚がある」と多様化を指摘。ところが家制度の下でも「非婚」や「事実婚」に類する婚姻関係はあったらしい。「戦前の日本」(彩図社)という雑学本に、記述がある

▼「家が嫁や婿を取る」との認識が強い時代、気に入らなければ簡単に追い出せるよう一定期間は籍を入れないでおく風習があった。「試し婚」とか「足入れ婚」などと呼ばれ、いくら寝食を共にしても法的には他人同士

▼法律が整う前は結婚も離婚もなすがまま。結婚が制度になり、不自由になって生まれた「知恵」だ。今なら当事者の自由に属する関係が、「家」を守るための手段だったわけだ

▼自由恋愛が白眼視された時代、「試し婚」は嫁や婿を余計「家」に縛る。不倫はさておき、時代閉塞とも意識できぬ不寛容な社会は御免被る。【風土計】


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「戦前の日本」 (商品の説明 内容紹介

  今から70年前、日本はまるで別の国だった…。 国会にはヤクザの親分議員がいて、街では政府公認で売春が行なわれている。薬局に行けばモルヒネや覚せい剤が手に入り、カフェでは女給が流し目をくれる。 ○○団を名乗る不良少年少女のグループが暴れ回るかと思えば、丁稚の小僧さんは昼夜区別なくただ同然の給金でこき使われる。サラリーマンはエリートで、独身女性の憧れの的。エロ写真は禁制品で、秘密のポルノ映画鑑賞会まで行なわれていた…。 20世紀最大の悲劇、第二次世界大戦に突入する前の日本、その新旧入り混じる、混沌の姿を解き明かす!

トップカスタマーレビュー

大人達のタブーがよくわかった 投稿者  neu-neu 

  大人達は、自分たちが育った戦前、戦後の社会や庶民の生活環境について口をつぐんでいる部分があると思っていました。たとえば徴兵を逃れる人がいたこと、怪しくないエナジードリンクであったヒロポン、キャバクラぐらい身近だった遊郭。作家などのエッセイなどでなんとなく察していたのですが、ようやくハッキリわかりました。

  学校では教えてくれないし、親から子供に教えることはまず無いことばかり。でも若い人と年配の人がわかり合えるためには必要なことだと思います。写真も豊富で年代問わずオススメの本です。

戦前の日本は、戦時モードで、暗いことばかりだったのでしょうか? 投稿者  直いい親父

 私たちが戦前の日本といえば、軍部が台頭し、国民も戦時モードで思想を弾圧された暗黒の時代を思い浮かべますが、それはほんの一面だけを現わしているようで、実情はどうもそうではなかったようです。私は大阪の人間ですが、父親の話では、戦前、あちこちに牡蠣船が係留されていて、よく食べにいった事や・・・私が高校生の頃までは、淀屋橋にまだ牡蠣船がありました・・・、50銭あれば、道頓堀で映画を観て、食事をして十分遊べたこと、などをよく話してくれました。

戦時体制になったのはどうも昭和16年、17年以降のようです。本書は、昭和初期(元年~14年)に焦点を絞って、教科書には載っていない、もう一つの日本をあれこれ紹介しています。全体は以下の章の大別されています。  第1章:不思議の国「戦前の日本」   第2章:本当は凄い!戦前の日本

 第3章:古くて新しい戦前の暮らし   第4章:熱く迷走する戦前の日本当然、遊郭はありました・・・私の小学生時代の友人が、遊郭を経営していてよく遊びに行きました。今から考えると、部屋や風呂が沢山あり、男の人が来ると、外で遊びなさい、追い出されました。なんか変だなと思っていたのですが!!・・・・。

 アヘン、モルヒネについては初めて知りましたが、覚醒剤は、昭和26年覚醒剤取締法が出来るまでは、みんな注射で眠気を覚ますため、バンバンやっていました。戦後日本奇跡の経済成長を遂げましたが、実は戦前の日本はかなりの工業国で、技術力もかなりありました、下地があったわけです。

 しかし、自転車が重要な輸出産物であったことは、初めて知りました。北里柴三郎、鈴木梅太郎も今の時代だったら、ノーベル賞を取っていたでしょう・・・取れなかったのは人種差別のためと言われています・・・・。受験戦争もある意味では、今よりもっと厳しかったようです。父親も特に旧制高校の入試は、相当厳しかったと言っていました。また、戦前には、徴兵制度があり、徴兵逃れも色々考えていたようです。

 たしかに、戦前の日本は、暗いばかりでなく、楽しいことも色々あり、今の日本は、戦前の日本のDNAをしっかり受け継いでいると思います!!我々の祖先である明治大正生まれのお爺さんお婆さんがどのような若者時代を過ごしたのか?何に娯楽を求め、何に怯えていたか?

  「生活」や「文化」を例にして平成の現代と共通する面もあり共通しない面として意外にフツーであったりフツーでなかったりすることがわかる。戦後文化や生活、経済活動や社会運動、政治までもその素地の多くは戦前に見出すことができるのである。

  日本の戦後史は、戦前史とは大東亜戦争を挟んで全く異質のものとして切り離されて語られてしまうことがままあるのだが決して非連続ではないことがわかる良書だと思う。読後には、戦前を暗黒時代として片付けている日本の教育はいかにもナンセンスであることに気がつくだろう。

  ところで、オビにある「70年ほど前、日本はまるで違う国だった」というのは著者の本望なのか?あとがきを読むと、戦前の遺伝子を引き継ぐ戦前史を封印する日本人のタブーを解きたいという心とは若干ニュアンスが違うような気がするのである。

具体的な事例が豊富で読んでいてとても面白い本です。 投稿者  BBL  投稿日

  戦前の日本というととかく暗く、不自由な時代という印象が先に立ちますが、それはある側面のみを捉えた場合であり、戦前にも自由な面もあったということが具体的な事例を元に説明されています。ただこれを読んで戦前にも自由があったということのみを知識として得るだけでなく、戦前の自由な雰囲気は元々日本という国に備わっていたもので、戦時中にそれが著しく制限されたということこそクローズアップされるべきだと思います。

  アメリカのおかげで自由を取り戻したというよりも戦争が終わって本来の日本の姿を取り戻したという表現がよりしっくりくると思います。それらは産業や技術、文化の発展にも言えることで、代表的な例は戦前から弾丸列車計画として進められていた新幹線など、戦前からの積み重ねが戦争で中断し、戦後花開いた例はとても多い。

  おそらく戦争が無くても日本は現代のような発展を遂げていたと思われるし、逆に現代の日本もひとたび方向性が変われば戦中におけるような言論統制や極端な同調圧力が掛かる社会になる危険性もはらんでいると思われる。画一的な戦前観の払拭は元より、今後の日本の方向性も踏まえ、若い人に本書を読んでほしいと思います。




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     『美しい虹も15分も消えずにいたらもう、誰も見向きもしない 
(ゲーテ) 
        減らず口の珍念・・・消えます!

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