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心の闇

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 横浜市の病院で点滴に異物を混入した犯人はなぜ、犯人になっていったのだろう。相模原市の障害者施設を襲った男は、なぜ独善的な考えに染まり罪を犯してしまったのか。当たり前の道徳の中にいる人には考えられない犯罪者の心の闇に、社会は「なぜ」と問い続けてきた。


 ▼ある文芸評論家が人気作家東野圭吾さんの小説「麒麟[きりん]の翼」を、普通の人間が罪を犯すに至る心の闇の理由を、明確に描いた作品と評していた。自分の過ちに向き合わず、罰せられるべき時に罰せられていない人がとんでもない犯罪に走ってしまうのではないかと。

 ▼「麒麟の翼」の主人公の刑事は言う。「過ちを犯しても、ごまかせば何とかなる-3年前、あんたはあの3人にそう教えたんだ」。犯人と疑われた福島県出身の若者の周りにも、労災を隠そうという組織の闇があった。若者は小さな幸せを求めていただけだった。

 ▼子どもをしっかり叱っているか。部下のミスの理由を突き詰めているか。ごまかしの末の罪は組織にもある。過ちを清算できなかった会社は自らが社会に存在する理由を知らぬまま大きな罪を犯してしまうだろう。さて自分はきちんと罰を受けてきただろうか。(あぶくま抄)

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Bouzus1


  ふと、脳裏に『己の欲せざる所を人に施す勿れ』のことわざが思い浮かぶ。



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     ここから夢に羽ばたいていく、はずだった。
     誰も信じなくても、自分だけは信じよう。


     加賀シリーズ最高傑作







 寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。帯には、「加賀シリーズ最高傑作」と謳っていることだろうと思います。その看板に偽りなし、と作者からも一言添えておきます。――東野圭吾

「麒麟[きりん]の翼」 トップカスタマーレビュー

 『新参者』や『赤い指』との関連も強い東野圭吾らしい作品   投稿者  くらうど 

◆大人気「加賀恭一郎シリーズ」の第9弾。前作『新参者』に続き、日本橋署編です。
東野圭吾らしいシンプルで読みやすい文章、さりげない描写や会話の中にある伏線、そして親子愛などが充分に描かれている。さらに、『新参者』と同様、日本橋近辺の文化や街並みなどを巧みにストーリーに組み込むあたりは流石の一言。

◆また、『新参者』や『赤い指』を読んでいれば、それらと関連する内容が多々登場するので、どちらかの作品が好きな方には強くお勧めしたい。ただ、唯一の減点ポイントとしては、「加賀シリーズ最高傑作」と謳っているわりには、事件の真相部分で驚愕の展開があったかというと、他作品と比較するに、そこまででは無かったと思う。

◆ちなみに、本の中に入っていたチラシによると、2011年は「作家生活25周年記念」ということで本作を第1弾として、第2弾=『真夏の方程式』(ガリレオシリーズ)6月6日発売予定第3弾=『マスカレード・ホテル』(待望のニュー・ヒーロー誕生とのこと・・)9月9月発売予定などが刊行されるようです。楽しみです。

 推理モノととらえずに読むべし 投稿者  よしゆき

◆待望の加賀シリーズ最新作!推理やトリックを楽しむのではなく、人間関係や家族愛に重点を置いた作品といえます。この傾向は赤い指あたりから新参者まで継続されていていますね。レビューで期待外れという人は、謎解きに重きを置いているからではと思います。良い作品です。 (o^-^o)

 

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