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腹立てず、小言言わず、丸く丸く

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         能代市内の70代半ばのひとり暮らし女性がこの頃、心している言葉は
         「小言言われても腹を立てるな/腹が立っても小言を言うな/丸く丸く」
          だ。雑誌か何かで見つけたらしく、紙に書き写しトイレに張っているという。







 ▼格言集にその文言は出てこないが、同じ内容では「人に小言を言われたときに腹を立てるな。腹の立ったときには小言をいうな」がある。3年前のNHK大河ドラマ「八重の桜」で再評価された、同志社を創立した明治の教育者の新島襄が残した箴言(しんげん)。それを身近に受け止めやすいように直したものとみられる。

 ▼小言をめぐっていったい何があって、どのような心持ちなのだろうか。「どしたスカ?」と聞くと、「ちょっとネ」と返事を濁したが、とにかく自分を落ち着かせ、「丸く丸くしなければ…」という思いが伝わってきた。

 ▼体力の衰えでぐずぐずするのと、音を聞き取りにくくなったのと、ど忘れ・物忘れが増えてきたことを嘆いていた。それが失敗につながって、友達や近所、遠くに離れた娘からいろいろ言われる注意が文句のように聞こえて、腹が立ってしまうことが多いからだろうか。

 ▼不安な政治の行方、政治家の不祥事、地方の人口減の不安、身近には回復が感じられない景気、ままならない暮らし向きに、不満や不平を強く口にしたりしているのか。それは必要であるし、黙っていれば世の中は変わらないけれど。

 ▼それよりも、周辺の人々や仲間、家族のしっかりしない行動を見ていられず、ついあげつらい、口やかましい〝小言幸兵衛〟のように思われていることに気付いたのだろうか。

 ▼以前、街で出会った時、随分と不機嫌な表情をしていたので、声を掛けずらくなり黙っていると、「一人喧嘩(けんか)してきた」と妙な話をしたことがあった。腹を立てる自分と、それを戒める自分がいて、頭の中で争ったことだそうで、そうしたむしゃくした状態を避けたい心構えなのかもしれない、とも思った。

 ▼小言はもちろん、説教も叱責も度を過ぎると、心の通いが悪化する。それどころか嫌われる。自戒が求められる人が何と多いことか。丸く丸く。 【複眼鏡】

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    【一言居士】の珍念・・・ 『恐れ入谷の鬼子母神』!



 

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