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もんじゅ  (@_@;)

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    遠隔操作によって奪われた巨大ヘリコプターが福井県の
    敦賀半島に向かい、原子力施設の上空で停止飛行している。
    犯人の要求をのまなければ、ヘリは墜落する-。21年前に
    発刊昨年映画化されて話題を呼んだ東野圭吾著「天空の蜂」だ





▼施設は小説の中で「高速増殖原型炉『新陽』」と表記されている。犯人がターゲットに選んだ理由について「新陽」所長は「やはり日本の原子力政策のシンボル的存在だからかもしれないな」と推測する

▼モデルは当然、「もんじゅ」だろう。小説は解説する。国の計算では高速増殖炉を使えば「向こう数千年は原子炉燃料には困らないはずだった」。しかし、諸外国が次々と撤退、開発が壁に突き当たっている現実も記した

▼発刊の翌月、現実世界で重大な事故が起きた。「もんじゅ」で冷却材のナトリウム漏れが発生し、運転を停止。15年後にようやく運転を再開したが、すぐに再び止まり、その後は動くことはなかった

▼「もんじゅ」の命脈が尽きようとしている。政府はついに抜本的な見直しを表明し、廃炉が確実になった。「シンボル的存在」の失墜が、原子力政策の転換を迫ることになるのは間違いない

▼小説が21年前に描いた原発問題の現実性に感嘆する。それは、福島での過酷事故の経験を経て、重みを増して現代社会に突き付けられている。【風土計】

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Yude


      さあ、「もんじゅ」どうする!









「天空の蜂」 商品の説明 内容紹介

 奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき……。驚愕のクライシス、圧倒的な緊追感で魅了する傑作サスペンス。

トップカスタマーレビュー

 2011年3月11日、『天空の蜂』は墜ちてきた   投稿者  ayituvbliuojlk
 
 今こそぜひ、日本中の方に読んでもらいたい本です。私たちの生活(収入)に無理のない範囲で昼夜を問わず自由に電気を使えるのは薄氷の上を歩むような、危険と紙一重の技術や努力と、『今のところ何も起こってない』だけの運の上に成り立っていることが分かるでしょう。

 この作品が単なる娯楽小説であるだけなら、犯人はこんな犯罪を行いません。犯人はこう言います。『原発は必要だけれども、事故は起こすなというのは、交通手段が他にないから飛行機には乗るけれど、事故を起こすなと言うのと同じ。技術と努力で事故を起こす確率を下げることはできるが、決してゼロにはできない。

 搭乗券を買った覚えはないかもしれないが、日本国民は原発という飛行機にもう乗ってしまっている。ただ、その飛行機を飛ばさないという選択もできる。一部の活動家は主張をするが、大部分は沈黙の乗客だ。彼らが何を考えているかはどこにも誰にも伝わらない』

 作中の災厄である『天空の蜂』は、2011年3月11日、未曾有の地震と津波という形で私たちの現実に墜ちてきました。犯人はむき出しの燃料プールを傷つけることを恐れあえて地下にプールがある高速増殖炉を狙いましたが、現実はもっと悲惨なものとなりました。立場が偏らないよう気をつけて書いたという言葉どおり、作者自身の主義は作中では表現されていません。

 しかし、原発を推進する立場、反対する立場、無関心な立場、様々な立場の登場人物が、様々な立ち位置から原発を捉え、語っています。危険=反原発と短絡的になるのではなく、『見たくないもの、目をつぶって済むならそうしたいものにも目を向けなければならない。

 事実を正しく知った上で、YesかNoを選択せねばならない。知らないところで勝手にきまってしまったから仕方がないではない。知ることが、利便や利益を享受する国民の義務なのだ』それこそが作者の伝えたいことではないでしょうか。

『そもそも夏ってのは暑いものなんだ』とある登場人物の言葉です。計画停電で不便をこうむっている今、そして来る夏こそエネルギーについて真摯に知る、考えるチャンスが私たちに与えられているのかもしれません

 Po





    「沈黙する民衆」  




 

 この作品が、1995年発表作品であることに、先ず驚きました。犯人たちのメッセージは、「沈黙する民衆」に向けてのものでした。原子力発電所の問題は、かつてからいろいろ議論されているものの、「沈黙する民衆」は黙したままでした。この作品が書かれてから、16年を経て、東日本大震災と言う大惨事があって、ようやく「沈黙する民衆」は、僅かに語りだしました。

 しかし、それも長くは続かず、今また、その議論は低調になりつつあります。昔から「長いものには巻かれろ」と言う言葉がありますが、この国の「民衆」はなかなか語ろうとしません。それは、原発問題に限らず、いろんな問題に対してそうです。

 更に、「熱しやすく冷めやすい」性格もあります。この作品は、日本人のそうした問題に対する大きな警鐘なのでしょう・・・・。

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