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『徒然草』に思いをはせる

 

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 馬乗りの名人は馬が門から引き出される時、足を揃えてひらり敷居を飛び越えると「気が荒い」。敷居を蹴当てると「鈍感だ」と言って決してその馬には乗らなかったという


▼鎌倉末期の随筆馬乗りの名人は馬が門から引き出される時、足を揃えてひらり敷居を飛び越えると「気が荒い」。敷居を蹴当てると「鈍感だ」と言って決してその馬には乗らなかったという

▼鎌倉末期の随筆『徒然草』で吉田兼好は名人達が特にこだわった注意点を紹介。「道を知らざらん人、かばかり恐れなんや」―乗馬を知らない人はこれほどまで些細(ささい)な事に用心するだろうかと逆説的に問うた

▼英国のEU離脱投票から36日。歴史に疎い若者はネット検索で「EUとは」から学び、冗談半分で投票。多くの国民も離脱派主導者の嘘を見抜けず臍(ほぞ)をかんだ。「冗談」「騙された」と叫んでも後の祭りだった

▼そして参院選。「改憲は自民立党当初からの党是」と高唱する安倍首相が、与党圧勝でついに憲法改正に必要な3分の2を確保した。悲願の改憲勢力を手中にした事で、国会の改憲論議は新局面を迎えそうだ

▼首相は改憲に虎視眈々(こしたんたん)で、審議が進んで改憲発議がなされれば国民投票である。だが参院選の某調査で「3分の2」の意義を知らない有権者が8割以上いた。民主主義の手本としてきた英国民でさえ平静を失った

▼兼好は腕自慢の素人が下手でもプロに勝てないのは勝負への心構えが圧倒的に違うからだという。手本の英国も苦しんだ択一に中庸が得意な国民に名答が出せるか不安だ。嘘に騙されない知識と心構えぐらいは持ち合わせていたい。で吉田兼好は名人達が特にこだわった注意点を紹介。「道を知らざらん人、かばかり恐れなんや」―乗馬を知らない人はこれほどまで些細(ささい)な事に用心するだろうかと逆説的に問うた

▼英国のEU離脱投票から1カ月。歴史に疎い若者はネット検索で「EUとは」から学び、冗談半分で投票。多くの国民も離脱派主導者の嘘を見抜けず臍(ほぞ)をかんだ。「冗談」「騙された」と叫んでも後の祭りだった

▼そして参院選。「改憲は自民立党当初からの党是」と高唱する安倍首相が、与党圧勝でついに憲法改正に必要な3分の2を確保した。悲願の改憲勢力を手中にした事で、国会の改憲論議は新局面を迎えそうだ

▼首相は改憲に虎視眈々(こしたんたん)で、審議が進んで改憲発議がなされれば国民投票である。だが参院選の某調査で「3分の2」の意義を知らない有権者が8割以上いた。民主主義の手本としてきた英国民でさえ平静を失った

▼兼好は腕自慢の素人が下手でもプロに勝てないのは勝負への心構えが圧倒的に違うからだという。手本の英国も苦しんだ択一に中庸が得意な国民に名答が出せるか不安だ。嘘に騙されない知識と心構えぐらいは持ち合わせていたい。【天鐘】

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   このコラム『頂門の一針』痺れる!



「徒然草」 内容情報 (「BOOK」データベースより)

 日本の中世を代表する知より)の巨人、兼好が見つめる自然や世相。その底に潜む、無常観やたゆみない求道精神に貫かれた随想のエキスを、こなれた現代語訳と原文で楽しむ本。現代語訳・原文ともに総ルビ付きで朗読にも最適。

みんなのレビュー

(無題)    ボンベイサファイヤ

 ◆「徒然草」というよりは、ベスト・オブ・徒然草、といった感じ。全訳ではなく、面白いところを抜粋し、本文と訳文、注意書きが併記されてあります。いわゆる入門書ですね。それでも、吉田(卜部)兼好の人となりを知るには十分の内容です。少々警戒心が強くて内気、でも外面はあくまで冷静、淡々とした頭脳家。そんな強靭の頭脳の下には、薄いガラス細工さながらの繊細さな精神を秘め、感動しやすい代わり苛々しがち。独り好きを称する割には寂しがりや。金なんて、名誉なんてというわりに、しっかり、不動産を用いた経済基盤を作っている、現実主義者。

 ◆…どうでしょう。まるで、某「結婚できない」男みたいだと思いませんか?これが、教科書に出てくる、枯れた仙人みたいな「吉田兼好」さんの生身の姿らしいのです。詳しくは、本文で。

読みやすい  購入者さん

 ◆現代語訳と古文が併せて載っているのと、解説や図絵も豊富なので分かりやすいです。楽しみながら読めて、現代にも通じることがたくさん書いてあることに驚かされました。

(無題)   購入者さん

 ◆ちょっとひねくれたようなものの見方がおもしろい兼好法師の傑作。知らない話も多かったのでこの年(40なかば)になってわかってよかった。文庫本だったのでもうちょっと本と字が大きいならもっとよかったと思います。

 ◆人間て変わらない。おカタイところもありますが、けして説教じみてはいません。”わたしはこう感じてますけど、なにか??”という調子。押しつける気持ちはサラサラないんでしょう。なので、つい笑っちゃうし、共感もするし、反発もしたくなるし、とても700年前に描かれたとは思えない人物描写です。

 ◆つまり、人間の本質っていうのは変わらないってことなんですよね。
文化的には、暮らしぶりなども全然ちがったはずなのに「家は夏すごしやすいように考えて建てるべき」とか、妙に納得しちゃいました(^^)古典とおもわず、読んでほしい作品です。


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        『数をいうまい羽織の紐』








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