« くつろげないテレピ | トップページ | 宇宙の旅 »

孤独死は不幸ですか

3


 

 小国綾子  (夕刊編集部)



☆お年寄りの孤独死がすべて悲惨で不幸なことのように語られるのを聞くと、小さな違和感を覚える。本当に不幸な人ばかりなのだろうかと。一人で暮らし、誰にもみとられずに息を引き取る−−そんな自分の最期は、夫や息子がいる身であっても容易に想像できる。予測値によると2030年、65歳以上の約4割が単身世帯となるわけだから。
   
☆話題の映画「おみおくりの作法」を見た。ロンドンで民生係として働く44歳の独身男性は、担当地区で孤独死した住民の葬儀を執り行うのが仕事。地味な映画が「思った以上にヒット」(配給会社)したのは、単に孤独死という社会問題を扱っているからではないだろう。一人暮らしの主人公の生活が、死者を含む他者との出会いを通して彩りを持ち始める。

☆それがしみじみと美しい。たとえ数多くのにぎやかな友人や家族に囲まれていなくても、誰かとつながっていて、社会で孤立していなければ、孤独じゃない。切ないのは、「孤独死」そのものではなく、寄り添い語り合う相手の誰もいない「孤立生」の方ではないか。鑑賞後、そんなふうに思った。

☆葬祭ディレクターの尾上正幸さんは最近、新しい動きに気付いたという。「一人暮らしが増えたからでしょう。身寄りのない友人同士が『いつか先に死んだ相手の葬式を出したいのだが』と生前に相談に来たり、『身寄りのない友人が亡くなった。自分たちの手で葬式を出したい』と相談に来たりするケースが増えてきました」

 一人で死んでも孤独ではない。ひとりぼっちで死を迎えても、孤独じゃない生き方はある。

☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*

 小国綾子さんの筆致は素晴らしい!  ┗(^o^)┛パーン

  Photo_3


 映画「おみおくりの作法」映画のストーリー

 ※ロンドンの南部、ケニントン地区の公務員である44歳のジョン・メイ(エディ・マーサン)の仕事は、孤独死した人の葬儀を執り行うことである。几帳面な彼は死者の家族を見つける努力を怠らず、その人のために葬礼の音楽を選び、弔辞を書く。規則正しい仕事と生活をしながら、ジョン・メイはいつもひとりだった。

 ※ある日の朝、ビリー・ストークという年配のアルコール中毒患者の遺体が、ジョン・メイの真向いのアパートで発見される。自分の住まいの近くで、その人を知らぬままに人が孤独死したという事実にショックを受けるジョン・メイ。さらにその日の午後、彼は仕事に時間をかけすぎるという理由で解雇を言い渡される。

 ※最後の案件となったビリー・ストークのために、ジョン・メイはこれまで以上に情熱を傾ける。ビリーの部屋にあった古いアルバムで満面の笑顔の少女の写真を見つけた彼は、イギリス中を回り、ビリーの人生のピースを組み立てていく。

 ※旅の過程で出会った人々と触れ合ううち、ジョン・メイにも変化が訪れる。自然と自分を縛ってきた決まりきった日常から解放されたジョン・メイは、いつもと違う食べ物や飲み物を試し、知り合ったばかりのビリーの娘ケリー(ジョアンヌ・フロガット)とカフェでお茶をする。まもなくビリーの葬儀が行われることになっていたある日、ジョン・メイは人生で初めての行動に出る……。

珍念。調子に乗って演壇で講義している錯覚に舞い上がっています。
「おみおくりの作法」冥途のお土産に是非見たい!

« くつろげないテレピ | トップページ | 宇宙の旅 »