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『約束』

J3_2 珍念のひとりごと

 <自分で決めた心掛け>

 『守れない約束はしない』ーこの言葉、誰かに言われたというものではない。それに人によれば、そんなこと当たり前だと笑うかもしれない。

▼中学生のときか高校生のときか、はっきりしないのだが、デュマの「三銃士」を読み耽った時期がある。それも、少年少女用の本ではあきたりず、岩波文庫の生島遼一訳を何度も読んだ。その中での、銃士隊長トレヴィルについての説明で、「あの人は、なかなか約束はしないが、いったん約束をしたとなると、それはもう、約束以上のことをしてくれる人
なのだ」というのがあった。

▼ずっと昔の記憶だから、正確にその通りだったかと問われると、とてもうんとは言えない。でも、そういう意味の文章だったはずだ。

▼「三銃士」は今の時代(というより昔から?)大冒険活劇と見做されている観があり、そんなものの中に出てきた。しかも、別にここだけに出てくるようなものではない言葉なのである。こんな言葉、どうしたのだーと言われるに違いないが、しかし、私の頭の中に入った経緯はそういうしだいなのだからご勘弁いただきたい。

▼読んだそのときは、ははぁ恰好いいなあ、位に思った。 しかし、元来いい加減なところのある私は何かというと軽く口約束をして、忘れてしまうということを、続けていた。それがとうとうあるとき、取り返しのつかない破約をして、平身低頭する結果になり・まだ頭に残っていたこの言葉を、今後実行することにしよう、と、決心したのだ。ただ、本にあったような、いったん約束をしたとなると、約束以上のことをする。などという立派な行為はできな
いので、自分流に少し変えることにしたのである。

▼つまり、なかなか約束をしないが、約束した以上は決して破らない、にするのがよいけれども、もしも不可抗力で約束を破る結果になったら、申し訳がないであろう。だから、守ることが出来ないかもしれない約束はしない、という形にしたのであった。

▼以来、完全にそれで通しているかとなると、ん、待てよ、と言わなければならなかった例もないではないが、何とか頑張っている。昔よりは多少は信頼されるようになった気もする。もっとも、意地の悪い人がいるのも事実で、「それは、約束をしたくないから、その口実にしているんでしょう」と言われたりするのだ。【作家・眉村 卓】

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☆う~ん 作者の言葉の彩にぐいぐいと引き込まれ
て最後に、ことばの玉手箱から“いない、いない、
ばあ”と、隠れていた物が現れる展開は流石です。
お見事です。不用意に口を開く愚か者の「珍念」も
(守れない約束はしない)と思っていますが、どう
も、「それは、約束をしたくないから、その口実に
しているんでしょう」の言葉に耳が痛いです。(^-^;

N1_2

      ○夏目漱石の有名な「草枕」の冒頭に人間の心の
      葛藤を見事な筆致で述べている。(1906年作品)

     『智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地
     を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい』。

      ○きょうも【珍念】の 減らず口は 絶好調です!

      \( ^∇^)/θ☆ わ~い!

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